平年より早いインフルエンザの流行が伝えられていますが、お変わりございませんか? 今月は、医療と経済を扱います。
適切な医療を受けながらも「無駄なお金は使わない」、そんな賢い病院との関わりについて考えてみましょう。
病院窓口での自己負担は高くなっている
皆さんは働き始めた時から「保険料」を納め続けてきました。若い時は病気になりにくいので、納めた保険料の多くは、自分の医療費にではなく、高齢者の医療費として使われていました。
今、現役世代を終えた皆さんは、若い頃、皆さん方がやってこられたように、若くて病気になりにくい労働者が納める保険料(半分は事業主が負担)によって、その多くを支えられることになります。
違うのは、昔に比べて医療費が高くなっていることと、皆さん方を支える若い労働者の人口割合が減少していることです。
その結果、高齢者の所得に応じ、高齢者の窓口負担率を上げるようになってきました。
しかし、自分が病気になって感じるのは、人は加齢に伴い、本当に病気になり易くなるという実感です。
従って、それなりの所得があっても十分な保険等に入っていない人では、病気になった時の医療に関わる総合的な出費はそれなりになることを知って頂きたいと思います。
「無駄なお金は使わずに適切な医療を受ける」を一緒に考えてみましょう。
適切な治療を続けながら窓口での負担を減らす方法
方法は2つあります。
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- ジェネリック医薬品があるか確認する いつも貰うお薬が新薬である場合、そのジェネリック医薬品があるかどうかを確認し、ある場合には「ジェネリックをお願いします」と医師に伝えることです。
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- 長期処方にできるか確認する 服薬管理が正しく行われ、症状も安定している場合、医師に「60日処方、または90日処方にして頂くことは可能ですか?」と確認することです。
医師に長期処方を出してもらうためには「毎日、正しく服薬出来ている」ことが条件となりますので、お薬の飲み忘れを防止するために、かかりつけ薬局で1回に飲むお薬を1袋にまとめてもらう「一包化」をお願いするのも良い方法です。これを「お薬カレンダー」と呼ばれる壁掛け式の「朝・昼・晩・寝る前×1週間」ポケットが付いているものに入れると、飲んだか否かの確認ができ、便利です。
高齢者になると、慢性疾患が完治して服薬しなくても良いようになることは、残念ながら殆どありません。従って、医師の指示を守り、重症化しないようにすることが重要になってきます。そのためにも適度の運動・バランスの取れた食事・安定した睡眠が必要であることは言うに及ばずです。
医療費以外も医療費控除の対象になる
入院して感じたのは自己都合によらない差額ベッド代や、やむを得ず利用するタクシー代・付添人やヘルパー代等は想定外の大きな出費となります。
領収書を保管し、治療が必要であったが故の非日常的出費であることを記した上で、控除を申請することは必要です。
※ 医療費控除の対象となる範囲は国税庁の定めによります。個別の可否は税務署または税理士にご確認ください。
医療費削減に最も有効な「早期発見・早期治療」
前回・前々回の「がん」のテーマで何度も申し上げましたが、最も重要なのは自分の内側からのサインに敏感になり、「いつもと違う」と感じたら、直ぐに、医療に詳しくあなたが信頼できる方にまず相談することです。これは「早期発見」につながる最も有効な行動であり、且つ、医療費の自己負担を減らす、最も有効な手段でもあるからです。
AIが使える方は不安や症状をAIに尋ねてみる
あなたがAIを使えるのであれば、不安や症状をAIに尋ねてみるのも良い方法です。
医療のことなので、鵜呑みはいけませんが、AIに対する指示・質問・命令文(プロンプト)が適切であれば、専門的な情報も含め、あなたの質問に相当答えてくれるはずです。
私もやってみましたが、専門書に書いてあるレベルであれば、正しく教えてもらうことができました。ただ、主治医が私に提示した「病院情報」や「医師情報」、それに基づいた「総合的な判断」はありませんので、最終的には主治医の人柄や話の内容から、自分の責任で選択することをご理解下さい。
入院して驚いた差額ベッド代
私たちは病院の会計で「医療費」を支払います。しかしその中身は、健康保険の対象となる(自己負担が3割・2割・1割となる)ものと、対象とならないものとがあります。
私は今回、がんを摘出するために大学病院に15日間入院しました。その際、事前に「病室」の希望を聞かれました。この大学病院では「特別室」「個室」「4人部屋」「6人部屋」があり、保険で全て賄えるのは「6人部屋」だけだったからです。しかし、「6人部屋の数は決して多くないので、入れないこともあります」との説明もありました。
確かに、個室には個室の良さ(消灯時間がない・いびき等、他人の気配がない)はありますが、「1泊の自己負担額が2万7千円」は、決して「安い金額」ではないでしょう。
事実、症状が安定した後に移動した4人部屋(自己負担額7千円)では、6人部屋の空きがなく、意図せず入った外国人労働者の家族が、差額ベッドの金額をとても気にしているのが、会話から聞こえてきました。
私の場合、加入する健保に「付加給付制度」があったため、医療費の6万円を超える分に関しては健保から給付され、退院時に私が支払った実質費用は298,700円でした。その内訳は、医療費を「1」とすると差額ベッド代と給食費負担分で「4」という不思議な負担率になりました。
歯科の「インプラント」や「チェックポイント阻害剤」「陽子線療法」(副作用が決して無いわけではないので、医師との相談が不可欠)等、これからはより高価な薬や治療法が増えてくると思われます。
これらの「自由診療」を選択した場合、関連する費用も含め、トータルでいくらの自己負担になるのかを計算するのは重要なことです。
「医療は最も高額なサービス業である」 「質の高い医療は低コスト」 早期発見・早期治療が最も有効で、且つ低コストであることを、改めて考える時代になったと、私は思います。
文責:健康コンシェルジュ 鈴木誠二 (株式会社ウェル・ビーイング 取締役会長)