予防医療に関わる方々はホリエモンこと堀江貴文氏の著書「日本医療再生計画-国民医療費50兆円時代への提言22-」(幻冬舎新書)をお読みになられたでしょうか?
内容は、私が2001年に予防医療のコンサルティングを立ち上げた時に感じた内容と多くの点で合致しています。特に、
- 『この国の医療は、「変えようとしないこと」にかけては超一流』
- 『科学よりも「空気」が上にきたりする』
- 『医療経済と連動させたデータの一元管理や活用が出来ていない』
- 『コラボヘルスを国家戦略に昇華すべき』
- 『透析・脳卒中・心筋梗塞への移行予測をAIで見える化し、行動科学での動機付けにより入院・合併症医療費を抑制する』
- 『健診受診や健康状態の情報から判断し、マイナポータルを介してデポジット返金』
- 『健診受診を含めた健康維持管理は「良いか悪いか」ではなく「損か得か」へパラダイムシフト』
- 『データ活用を阻む「プライバシー」という呪縛』
- 『完璧を求めて何もしないより、不完全でも始めることが重要』
- 『限りある医療資源をどう使うかという分配の問題』
- 『日本人は死ぬことに関して思考停止している「とりあえず延命」』
- 『マイナポータルにデジタル遺言(臓器提供意思表示)等も明記』
- 『75歳以上のがん検診は自己責任にしてリソースを若者に回す』
- 『予防医療は別財源で健康投資として推進』
等々です。
堀江氏は優れた経営手腕を持った経営者であり、投資家でもあります。そんな彼が主張するのは、「今のままでいい」という思考停止に対するAIやDXの進歩を応用した「健康投資」というアンチテーゼです。海外の成功事例を紹介しながら、国民医療費50兆円の中には、予防(発症や重症化を阻止)することによって、プログラムやシステム開発費を凌駕する医療費削減効果が得られ、それは投資ビジネスそのものであるとの考えが透徹しています。
日本が世界に誇る「国民皆保険制度」。これが、少子高齢社会を迎えた今、崩れかけています。
打つ手があるにも拘らず、それを実施できる立場の日本人の多くが「とりあえず、今のまま」という思考停止を自動的に行っているという彼の意見に、私は賛成です。理由は「データを解析することにより、抑制可能な疾患や対象者を明確にし、それに対し、認知行動科学的アプローチを行うと、発症や重要化にブレーキがかかり、医療費が抑制された」からです。
この世には、病気になりたい人も重症化を容認する人も存在せず、ただ、認知できない人のみがいるだけだからです。