健康データ活用のしくみ
プレゼンティーズムが企業価値を蝕む
企業における健康リスクには、大きく2つの種類があります。ひとつは、病気やメンタル不調などで出勤できなくなる状態(アブセンティーズム)。これは欠勤や休職として表面化するため、管理もしやすく、損失の把握もしやすい側面があります。
一方で、より見えにくく、深刻な影響を与えるのがプレゼンティーズムです。これは、出勤はしているものの、頭痛や腰痛、不安感、睡眠不足などの体調不良や心理的な不調によって、十分に能力を発揮できない状態を指します。
たとえば、100%出勤していても、その人が普段の70%程度のパフォーマンスしか発揮できていないとすれば、残り30%分の損失が毎日積み重なっていることになります。
このような状態は外からは気づかれにくく、本人も「働いている」という意識があるため、周囲も問題として捉えにくいのが実情です。
しかし、組織全体で見たときには、この「働いてはいるが実質的には機能していない時間」が非常に大きな損失となります。
ある調査では、プレゼンティーズムによる損失はアブセンティーズムの2〜3倍に達するとも言われております。
健康課題の“見えない損失”にどう向き合うか、人的資本経営における“見えないコスト”として真剣に向き合うべき課題です。
健康状態 × 生産性の可視化
プレゼンティーズムによる生産性低下は、 ストレスや不調の影響を受けた“働いているように見える損失”です。 Wellmetricsでは、各ストレス要因と影響度(β)を数式モデルで掛け合わせ、 プレゼンティーズム率(RoP)として定量化。 その率に年収・社員数を掛けることで、企業にとっての“見えない損失額”を可視化できます。
生産性損失率(RoP)の計算式
- RoP=Σ(Si×βi)
- Si : ストレス・健康に関する要因スコア
- βi : 各要因の生産性への影響度 (係数)
- RoP=プレゼンティーズム率
*ROP=Rate of Presenteeism
試算イメージ
- 平均年収 : 600万円
- プレゼンティーズム率 (Rp) : 15%
- 対象社員数 : 10名
- 600万円×15%×10名=900万円
出社しているのに生まれる“静かな損失”
欠勤よりも損失が大きい“プレゼンティーズム”を数字で捉え、改善できる仕組みが必要です。それがWellmetoricsです。